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2008年6月20日金曜日

摂食障害とはどんな病気?

たとえば、友人に「最近太ったね」といわれたことがきっかけでダイエットを始めたとします。しかし、たいていの人はある程度のところまで続けると挫折したり、ダイエット方法を食事と運動と併用した方法に切り替えたりするものです。

ところが、食事を制限するダイエットが極端に進みすぎ、食べ物をほとんど受け付けなくなってしまう場合があります。
食べても、下痢や利尿剤を乱用したり、口の中に指を入れて無理やり吐いてしまいます。

これが拒食症(神経性無食欲症=アノレキシア)です。

外見では病的にやせているため、周囲の人に「やせている」と言われても「やせなければ」という強迫的な思いを振り払うことができないまま、拒食を続けます。

一方で、異常に食欲が増進し、一度に大量に食べ物を食べる。

これが過食症(神経性大食症=ブリミア)です。

拒食症と過食症を総称して摂食障害と呼び、10代後半~20代後半までの比較的若い女性に多く見られますが、最近では、男性や中高年の症例も時々見られます。

摂食障害は、まれに拒食症のみ、過食症のみのケースもありますが、ほとんどは拒食症が続いた後、過食症というようにセットで現れます。

きっかけの多くはダイエットですが、発症の背景には、複雑な心理的問題が絡んできていることも少なくありません。

症状について

■拒食症状

食事の量を極端に制限したり、限られた低カロリーの食べ物しか食べない、あるいは全く食事を取らない、といった症状から始まります。

こうした状況が続くと、普通は体力が低下するはずですが、拒食症では、逆に活動的になるのが特徴です。
女性の場合は決まって無月経が現れ、貧血、低体温の他に、内臓障害などもみられます。

■過食症状
過食症状は、拒食が続いた後に現れます。「食べたい」という欲求が抑えられず、普通では考えられない量の食べ物を詰め込むように食べます。

食べ続けている間は不安は軽くなりますが、食べ続けることにより、ある一定の体重のラインを超えたりすると、罪悪感にさいなまれ、次は食べた後に大量の水を飲んで吐く、口の中に指を入れて吐く、大量の下剤を飲み、食べたものを出してしまおうとします。

嘔吐を繰り返すうちに、胃や食道の炎症、低血糖、歯の損傷、下剤などの薬物を乱用することによる低カリウム血症などの身体的な障害が現れます。

周囲の人の対応

摂食障害の治療には、根気と時間を要し、患者さん本人だけで治そうとしても、なかなかよい経過を得られないものです。
家族は、単に拒食と過食といった行動面だけに目を向けず、本人の性格や親子関係、家族関係、対人関係など心理的な背景にも目を向け、家族も治療に加わるという気持ちで、実際に治療を受けながら理解につとめることが大事です。